2011/04/22

情報を受け止める前に知っておくべき大原則

世の中で私たちが目にすることができる文字、聞こえる音声などの情報はとてもたくさんあります。「情報を正確に受け止め、有効に活用できるできること」が現代社会に必要な2つのスキルです。この2つのスキルを具体的に言い換えると以下のようになります。

 1.情報を正確に受け止める
  →理解する、誤解しない、嘘を嘘と見抜く 
 2.有効に活用する
  →知識とし、自身の考えや行動の判断材料にする

情報発信にもかかわりますが、まず受け手としての大原則のお話をします。


◆事実と意見
情報は必ず「(客観的)事実」「(主観的)意見」の2つからなるというのが大原則です。

例えば、ニュースキャスターが「今日は気温が20℃で暖かい日でした」という情報は

事実:気温が20℃ (と測定された)
意見:20℃という気温を暖かい日と感じた

となります。もっと言うと

事実:「今日は気温が20℃で暖かい日でした」と話した

も加わります。

事実と意見を区別して情報を把握することが、情報を正確に受け止めるための第一ステップです。


◆情報に正誤なし。
情報を受けた人にできるのは、事実を確認し意見を参考にするところまでです。

例えば「今日は気温が20℃で暖かい日でした」というこの情報は『正しい』でしょうか。
8月で20℃は肌寒く、春に20℃はとても暑く感じられます。
同じ季節でも人によって暖かく感じる人と寒く感じる人もいるでしょう。

人がどのような意見をもとうが、発表しようが、発言の自由として大多数が認ている状況にあり、
また憲法にもそうあります。つまるところ、正誤の判断は受け手がするものであって、情報に『正しい』はないと考えると自然です。


◆事実は疑いつつ確信する
情報に含まれる事実が、事実たるかというのは非常に難しい問題です。

・科学的、論理的に事実たるか評価する
・自分が確認する

この2つがまず必要です。科学的論理的という言葉は大げさですが、情報の出自が
「順序立って因果関係で結ばれているか」という点を確認すればよいのです。

面倒でしたら、メディアや学者、公的機関が発表する数値はおおむね信じて間違いありません。
ただし、数字は間違いない事実を表しているようでも、

・厳密には様々なバイアスがかかっている
・一見権威的な立場の人も、実は無根拠に発言しているという歴史的経験的事実がある

という2点を心にとめ、盲信せず適宜自身で事実の確認をすることが肝要です。

やや極端ですが例で示すと

「測定器が20.53℃を示している(観測値)」
→「測定誤差は±0.05℃だ(機器の性能)」
→「これを20.5℃として記録することにする(規則)」
→「測定器から記録した値を四捨五入して発表する(規則)」
→「いまの気温は21℃です。(情報の発表)」

※規則は蓄積された事実と意見を集約してできたものと考えます。

どのように測り、どのようなプロセスを経て発表するかを追跡できて初めて事実を確信できます。

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